最近の新型ウイルスの報道でよく耳にする「エクモ」という単語。
現段階では、新型コロナウイルスによる重い肺炎患者への治療では。体外式膜型人工肺(ECMO、エクモ)が注目されて続けています。
主に重症者の肺に代わる役割を果たす医療機器のようで、現段階では救命の「最後のとりで」として期待されている機器のようです。
目次
体外式膜型人工肺”エクモ”とは?
エクモという医療機器は、簡単に言えば”肺の役割を一時的に担う医療機器”で、機能が低下した肺を人工肺で補う装置です。
主に重い肺炎患者などに使われるそうです。
仕組みとしては、首や足の付け根、太ももの静脈から管を入れて血液を抜き、そこから血中の二酸化炭素を取り除くとともに、酸素を供給してポンプで体内に戻すという優れもの。
思い肺炎で自力呼吸できない重症患者の体に酸素を届けるという素晴らしい仕組みです。
自分の肺の機能が回復するまで、人工肺が肺の機能の代わりを担うということです。
日本集中治療医学会や日本救急医学会の調査によると、先月の3月11日時点で、少なくとも23人がECMO治療を行い、12人が治療を終えて回復したそうです。
3月11日の時点では亡くなった患者はいなかったそうです。
志村けんさんの報道の際にも着用されていると報道されていましたが、結局帰らぬ人になりました。当初とは違って、必ずとも命を救えるものではなくなりました。
志村けんさんも着用していた
志村けんさんもかつてはエクモを着用されていました。
志村さんの所属事務所の話では、3月17日に発症。そこから志村さん本人が呼吸障害や全身の倦怠感を訴え、東京・港区の病院に搬送されました。
23日に陽性反応、一時重篤な状態に陥ったそうです。
翌日の24日には人工心肺装置が必要と判断され新宿区の病院に転院し、そこからエクモに頼ったそうです。
志村さんは陽性反応が出た23日には、一時重篤な状態に陥ったそうです。
港区の病院から新宿区の病院に転院したのは、主に人工心肺装置『ECMO(エクモ)』を装着する目的があったとされています。
エクモが使われる基準はあるのか?
主にエクモは肺による呼吸を補助する人工呼吸器では回復が困難な重症者に使われています。
エクモで肺を休め、免疫力の回復を待つということで、もともと肺が弱い方にとっては最後の砦として期待できます。
日本集中治療医学会などの集計では、3月11日までには死者数は0でした。
しかし、3月30日までに再集計すると、新型コロナの重症患者40人にエクモが使われ、19人が重篤な状態を脱しましたが、6人は死亡しました。
気になるのは感染者数に対して、使用されている患者のデータが少ないということ。
エクモを使える人と使えない人に、何か違うがあるのでしょうか?
志村けんさんがエクモを使うために新宿の病院に移転したという話もありますので、どこの病院にも設備があるわけではなさそうです。
国内に存在するエクモ装置の数は十分
誰でもすぐに使えることがなさそうな、最後の砦”エクモ”。
国内に存在する数が気になりますが、日本臨床工学技士会などによると、今年2月時点で国内には約1400台があるそうです。
主に医療機器メーカーのテルモが7割のシェアを持っているそうで、年間百数十台を製造しているそうです。
現在までに新型コロナ拡大に伴う需要増に備え、安定供給を目指しながらも国内2工場で増産しているそうで、数的には問題はなさそうです。
ただ、問題なのは、そのエクモを使用するのに多くの専門チームが必要だということです。
エクモの数はあっても人が足りない?
ECMOは医師なら誰でも使えるわけではなく、専門医がチームを組み、24時間体制で治療を行わないといけないのです。
つまりはエクモの運用には専門チームが必要ということです。
数人の医師による手術で装着し、患者が一度着けると24時間態勢の管理をしなければいけません。
なんと患者1人に対し、医師、看護師、機器を操作する臨床工学技士の計7人以上が必要なのです!
とても医療従事者の負担が大きいということで、機械の数が存在しても、使用するハードルが高いということになります。
今後はエクモ専門の人材育成も急ぐ?
ECMOはあくまで自己肺がウイルスとの闘いに打ち勝つまでの“時間稼ぎ”に過ぎないことを大前提ではありますが、後々「もしエクモが使えたら・・・」という患者も増えそうです。
政府としては緊急経済対策として、エクモの増産や医療機関への導入を支援する方針ではあるそうです。
それに従い、西村康稔経済再生担当相は「専門家の育成も急務」と指摘しています。
つまりはエクモを平等に使えるためにも、人材育成の態勢整備も急いでいるということです。
日本国内で爆発的に感染者、入院者数が増えた時までに間に合うのでしょうか?
エクモに対する反応
・臨床工学技士です。人工呼吸器管理をしています。ECMOは、体外循環と呼吸器の幅広い知識が必要です。医療機器管理は医師や看護師にはできません。臨床工学技士は、まだ30000人もいません。
少しでも操作できる技士は10%いるかいないか。
・この機械が増えても使いこなせる人が少なくて足りないという報道がありましたが、この後どうなるんでしょう、、、これ以上感染者が増えないよう出来ることをしなきゃですが限界もありますし、、不安ですね。
・医療従事者の中では比較的、頭数の多い看護師もそう人工呼吸器すらどのモードがどういう換気をしているのかをきちんと把握して、どの数値が何を指すのか経験したこともなく、理解していない看護師もいる。エクモなんてとんでもない。エクモエクモって知らない人間は魔法の呪文のようにいうけどかなり高度な知識と技術が必要でまず一般病棟では無理ですから。何度も言ってるけど、大事なのは機械の台数じゃない。機械があっても管理、保守、点検、設定する医師、看護する看護師などマンパワーが揃って初めて正常に運用できる
・これって誰でも使えるわけではないの?育成って間に合うのか・・・そのうち使用ミスでの犠牲者も出そうで怖い。急だから間に合うわけもなさそうな・・・。